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運動量と力積

短い時間での大きな変化

前章では、エネルギーと仕事を定義し、時間によらない、状態の変化を追うことで、あらゆる時間の変化を見た。

では、短い時間ではどうだろうか。世の中には短い時間で大きな変化が起こる現象がある。

例えば、バットやラケットでボールを打つ、ボールを蹴る、車が衝突する、ハンマーで釘を打つ。これらの現象に共通するのは、短い時間で大きな変化が起きるという点である。これは今までのエネルギーでは説明することは大変難しい、また運動方程式を立てて調べるのもかなり難しい。

衝突の観察

例えば、ビリヤードの球を考えてみよう。ビリヤードではキューと呼ばれる棒を用いて、球を打ち、他の球を動かす競技である。

球の衝突前後で変わるのは何だろうか。速さや向きが変わることはわかる。また止まっていた球が動いたり、動いてる球が衝突後止まることもある。

まず、速さと向きを持った量を調べることが必要である。ここで大きさと向きを持った量をベクトルと定義する。例えば、物理でよく出る量に速度というものがある。速度は速さという大きさと方向という向きを持つベクトル量である、例えば、車で「北に」「60km/h」で進む、や野球ボールを「ホームベースに向かって」「160㎞/h」で投げる、といった具合である。日常では速さと速度は同義として扱われることが多いが、物理学では明確に異なることに注意されたい。

また衝突では質量という要因も無視できない。質量は定義によれば、端的には「物体の変化のしにくさ」を表す量であった。実際ビリヤードの球を考えてみると、狙っている球の質量がもしがもし10倍だったら?明らかに変わりにくいことが分かる。野球のボールの重さが鉄の塊だったら、打つことは難しいだろう(それ以前に投げるのも難しいだろうが)

変化しているのは、どうやら質量速度であると考えられる。

さて、我々がやるスポーツ、例えば、野球、テニス、卓球、サッカー、これらには共通点がある。それは球を道具、あるいは人間の体で運動を変化させている点である。だが、野球等で言えばバットやラケットで打つ瞬間、サッカーであればシュートを打つ瞬間、これらは大変一瞬である。

一方で、長期的に力をかけ続ける、出す例もある。一つに惑星の探査機がある。ロケットのイメージが強いが、ロケットは一瞬ではない。ある程度の時間燃料を噴射し続けて空中に機体を浮かしたり、あるいは宇宙空間で軌道を制御する。これは力を瞬間的ではなく、長時間出している例である。「短く強く」なのか「長く弱い」なのか。これらをどのように議論するかが難しい、それを議論することを考えよう。

運動量と力積

さて、質量\(m\)と速度\(v\)が関わっているということで、この積\(mv\)と定義しよう。これを運動量と呼ぶ。エネルギーは大きさのみ持つ(これをスカラー量と呼ぶ)が、運動量は向きを持ったベクトル量であることに注意されたい。運動量は\(p\)とおくことが多い。すなわち\(p=mv\)

である。

次に力の時間効果について考える。先ほど述べた通り、短く強くなのかや長く弱くなのかで効果を議論するにはどのようにすればいいのか。

ここで力積という概念を導入したい。力をどれだけの時間加えたかというのを調べるため、縦軸力\(F\),横軸時間\(t\)として、\(F-t\)グラフを考える。さて、距離が\(v-t\)グラフの面積として表せたように、この面積を考え、これを力積と定義すれば、形が異なっても、面積が同じであれば、効果が等しい(まさに距離と同じである)と議論できる。

すなわち、力積\(J\)

\[J=F \cdot \Delta t\]

として表せる。

検証

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